環境保護庁(EPA)は2008年7月24日、2005年2月に発表された第2飲料水汚染物質候補リスト(CCL 2)に挙げられた51種の汚染物質のうちの次に示す11種については規制しないことにしたと発表した。
- ホウ素
- ダクタール1酸分解物(dacthal mono-acid degradate)、
- ダクタール2酸分解物(dacthal di-acid degradate)、
- 1,1-ジクロロ-2,2-ビス(p-クロロフェニル)エチレン(DDE)、
- 1,3-ジクロロプロペン(テロン(telone))
- 2-4-ジニトロトルエン、
- 2,6-ジニトロトルエン
- s-エチル・プロピルチオカルバメート(EPTC)、
- フォノフォス(fonofos)
- ターバシル(terbacil)、
- 1,1,2,2-テトラクロロエタン
EPAは、その理由として、これらの物質は、その健康影響、出現のデータ、そして2007年5月にこの11種について規制しないという規制上の決定案を発表して求めた一般の人々のコメントについて幅広く検討した結果、公共上水道中で全国的に出現しているわけではないし、出現していても公衆衛生上で懸念される濃度より低い濃度で出現していることを挙げた。
EPAは、上記の11種の汚染物質の中で低い濃度で出現している①、②、③、⑤、⑥、⑦そして⑪については、新しい情報あるいは潜在的な分解物を反映するために現在の「健康に関する勧告」を更新する予定である。
また、EPAは、過塩素酸塩(パークロレート)について規制上の決定をまもなく行なうと発表した。しかし、メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(MTBE)については、健康リスク・アセスメントの改定中であるため、今回は規制上の決定を行なわないとも発表した。
EPAは、安全飲料水法(SDWA)によって5年ごとにCCLを策定し、CCLにある少なくとも5種の汚染物質について規制上の決定をすることを義務付けられている。汚染物質について規制上の決定がされても公共上水道には別にどのような要件も課されないが、EPAがその物質について規制することを決定した場合、公共上水道事業者はその規則を守らなければならなくなる。したがって、CCLは、飲料水規則が必要かどうかについての決定の主な指針である。
なお、第3のCCL案は、2008年2月に発表されている。
また、EPAのCCLと規制上の決定に関する情報は、以下のウェブサイトで見られる。
http://www.epa.gov/safewater/ccl/index.html