中国・上海市環境保護局、上海市の太陽電池工場を廃水汚染基準値超過で行政処分

上海艾力克新エネルギー有限公司は、製造過程で基準値をオーバーした汚水を排出したため、このほど地元の環境保護局が排出の即時停止を命じ、行政処罰を行った。

2010年11月15日、環境保護部環境苦情受付センターは市民からの通報を受けたが、それによると、上海市奉賢県の艾力克新エネルギー有限公司の製造施設からの汚水が処理されないまま直接に排出されたとのことであった。この有限公司は主に太陽電池チップを製造しており、製造プロセスからの汚水にはフッ素イオンや高濃度の酸及びアルカリが含まれている。また、発生する汚泥は建築原料として使用されているため、周囲の環境に重大な影響を与える。

通知を受けてすぐ、上海市環境監察総隊はこの企業を調査した。調査によると、上海艾力克新エネルギー有限公司は奉賢区奉浦大道1666号にあり、2007年10月25日付の上海市奉賢区環境保護局の同意を得て建設されており、2010年12月14日には2011年3月13日までの試運転の同意を得ている。年間の生産量は1300万チップである。生産過程で発生する汚水は水素フッ素酸性汚水で、汚水は処理を経てから、奉賢区西部の汚水処理場に入る。その汚水処理量は現在500トン/日である。

2010年12月1日、法律執行当局者がこの公司を訪問し現場検査をしたところ、稼働中で、汚水処理施設は運転されており、排出口の水サンプルの外観はきれいであったが、上海市環境測定センターの分析結果ではpH3.98、フッ素化合物が1リットル当たり351mg、CODが1リットル当たり894mgで、いずれも「上海市汚水綜合排出標準」を超過していた。

この公司では、製造プロセス汚水の処理過程で無機フッ素化合物汚泥を発生し、それを、危険廃棄物処分資格を有しない上海工業廃品回収網服務総部に処分を委託していた。現場検査において、この公司の担当者は、この生産設備は試運転段階で、汚泥発生量がわりに少なく、2010年5、6月に一連の危険廃棄物の処分を委託したことがあるが、汚泥処分契約と5枚綴りの伝票は、当時の担当者が退職しているため見つからなかったと述べた。

この公司が排出する製造プロセス汚水は濃度が基準値を超過している。危険廃棄物を経営許可証を有しない業者に提供し事業活動に従事させた行為は「固体廃棄物環境汚染防止法」第57条第2項、「上海市環境保護条例」第33条第1項に違反している。上海市環境監察総隊はこの公司に違法行為停止を命じ、同時に上述の違法行為を裏付ける資料の提出と行政処罰を行うことを要求している。この公司は既に汚水排出を停止している。

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