中国、水汚染防止法を改正、2018年1月より施行へ

2017年6月27に開催された中国の第12期全国人民代表大会常務委員会第28回会議で、水汚染防止法の改正が可決された。改正後の「中華人民共和国水汚染防止法」は、2018年1月1日より施行される見通しである。改正法では、中国の水環境対策および水の安全保障における画期的な制度といえる「河川長制(中国語:河長制)」の関連内容が追加されている。「河川長制」とは、「河川長」を務める各級政府機関の主要責任者により、対応する河川や湖の管理や保護業務を指導する制度である。

さらに、改正法では、重点水汚染物質の排出を対象とした総量規制制度の実施についても規定されている。総量規制指標を超過、または水環境品質改善目標を未達成の地域については、省級以上の人民政府環境保護主管部門が関連部門と共同で、同地域の人民政府の主要責任者に対する行政指導を実施するとともに、重点水汚染物質排出総量の増加を招く建設プロジェクトの環境影響評価文書の承認を一時停止する。上記の行政指導の状況については、社会に公開される。

水環境に重大な影響を与える農村の汚水・ゴミ処理、農業の非点源汚染については、対策強化が必要な分野といえる。改正法では、農村における汚水・ゴミ処理施設の建設を国が支援し、汚水やゴミの集中処理を推し進めることについて規定されている。また、化学肥料や農薬などの製品の品質・使用基準を制定し、水環境保護の要求に適応させることについても規定されている。さらに、家畜・家禽小規模飼育場が密集する地域の存在する県、郷級人民政府は、家畜・家禽の糞便や汚水の事業者ごとの収集および集中処理・利用を実施しなければならない。

飲用水の安全性に関しては、飲用水供給事業者により実施する取水口と排水口の水質検査業務について規定されている。県級以上の地方人民政府の関連部門は、少なくとも四半期ごとに飲用水の安全性に関する情報を社会に公表しなければならない。また、改正法では、飲用水源で水質汚染事故が発生、または飲用水の安全性に影響を及ぼす他の突発的な事故が発生した場合、飲用水供給事業者が緊急措置を講じ、所在地の市、県級人民政府に報告するとともに、社会に公開することについても規定されている。

改正法では、違法な汚染物質排出行為に対する処罰が強化されている。企業が汚染物質排出許可証を取得せずに水汚染物質を排出し、水汚染物質排出基準を超過、または重点水汚染物質排出総量規制指標を超える水汚染物質を排出した場合、改善が命じられるか、または生産制限、操業を停止した上での改善が命じられるとともに、10万元(約165万円 ※2017年6月29日時点のレートで計算、以下同様)以上100万元(約1650万円)以下の罰金が科される。違反が重大な場合には、営業停止や閉鎖などが命じられる可能性もある。

なお、新「水汚染防止法」の原文は下記のURLにて閲覧可能である(中国語:簡体字)。
http://www.npc.gov.cn/npc/xinwen/2017-06/29/content_2024889.htm

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