中国生態環境部、衛生健康委員会は、2019年7月23日付けて、共同で政府公告の形で、「有毒有害水汚染物質リスト(第1次)」(以下、「リスト」)を公布し、水環境の安全と改善、水環境リスクコントロール、水汚染による健康被害防止の実現を図る。2019年1月、生態環境部は同リストの意見募集稿を公開し、意見募集を行っていた。今回正式に発表されたリストは意見募集稿より、汚染物質は9種類から10種類に増え、「メタナール」が加えられた。
同リストには、以下の10種類の物質が登録されている。鉱業、製造業、電力、熱力、皮革製造業、石油化学工業、コークス工業、化学原料・化学製品製造業、医薬品製造業、フェラスメタル精錬業、非鉄金属精錬業などの業種に影響を与える見込みである。
No. | 汚染物質の名称 | CAS登録番号 |
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1 | ジクロロメタン | 75-09-2 |
2 | トリクロロメタン | 67-66-3 |
3 | トリクロロエチレン | 79-01-6 |
4 | ペルクロロエチレン | 127-18-4 |
5 | メタナール | 50-00-0 |
6 | カドミウム及びその化合物 | — |
7 | 水銀及びその化合物 | — |
8 | 六価クロム及びその化合物 | — |
9 | 鉛及びその化合物 | — |
10 | 砒素及びその化合物 | — |
2019年2月、11種類の汚染物質が登録された「有毒有害大気汚染物質リスト(2018年)」が生態環境部により発表された。そのうち、アセトアルデヒドを除くその他の10種類の物質は上記の「有毒有害水汚染物質リスト(第1次)」と同じものである。リストに挙げられた汚染物質を排出する事業者は、排出口と周辺環境へのモニタリング、環境リスク評価、環境不安全要素の排除、有毒有害水汚染物質情報の公開などの有効措置を取り行い、水汚染リスクを削減すべきである。