2019年8月23日に行われた中国第十三次全国人民代表大会常務委員会において、委員長の栗戦書氏は中国の水汚染防止法の執行状況および改善対策について報告した。
栗氏は、水汚染防止法の執行状況について、合計で下記の8つの問題を指摘した。
- 一部の法的責任が明確になっていない
- 水汚染防止標準および計画の執行が緩慢である
- 水汚染防止に対する監督・管理制度の実施は目標を満たしていない
- 飲用水の安全保障の強化が必要である
- 城鎮における生活汚水処理は不十分である
- 農村における汚水防止対策の進行が遅く、科学的な汚染防止措置がない
- 工業の水汚染防止の目標達成が遠い状況である
- 船舶による水汚染の防止事業(船舶における生活用水など)の強化が必要である
そのうち、「生活飲用水衛生標準」(以下「標準」)について、「標準」の設置された限度値が、「地表水環境質標準」の集中型生活飲用水地表水源地の特定項目標準より高くなっており、「標準」の規制が緩いことが指摘された。また、改善対策として、2020年までに「標準」の改正作業を完成することなどの目標が提示された。
その後、8月25日に行われたQ&A会議において、国家衛生健康委員会の馬暁偉主任、国家生態環境部の李干傑部長などが、いくつかの質問に対し回答した。例えば、「水源地保護、水質浄化、二次供水、および住宅の蛇口の水質などに対するモニタリングまたは情報公開を強化するためには、どのような措置を講じるのか」という質問に対し、馬氏は「2018年『標準』の改正作業が始まり、我が国の水質の特徴および汚染物質の健康に対する危険性に基づき水質指標を制定し、2020年までに新標準を公布する予定だ」と回答した。
また、李氏は「今までは、県または県以上の都市における集中型飲用水源地しか監督していなかったが、これからは『水汚染防止法』の要求に応じ、農村飲用水水源地を監督範囲内に組み入れる予定だ」と、回答を補充した。