EPA高官、飲料水中の過塩素酸塩の最大許容濃度を設定しない可能性を示唆

環境保護庁(EPA)の水担当高官は2008年5月6日、同庁が過塩素酸塩(パークロレート)のレビューを終わった後飲料水中のこの物質を規制しないことに決定する「確かな可能性」があると述べた。

EPAのGrumbles水担当次官は、上院環境公共事業委員会に、同庁は、2008年末までに過塩素酸塩に関する規制上の決定を行なうと公約しているが、この物質の最大汚染物質濃度を設定しないことに決める可能性があると告げた。

 

この委員会のBoxer委員長(カリフォルニア州選出民主党)らの議員は、ロケット軍需品の製造に使われる過塩素酸塩の規制上の決定に至るEPAのスローペースに対していら立ちをつのらせている。

Boxer上院議員は、EPAが究極的には飲料水中の過塩素酸塩の法的強制力のある基準を設定しないと決定するものと確信していると述べた。

同上院議員は、上水道事業者に過塩素酸塩の試験をして、その結果を公表することを義務付ける法案とEPAに妊婦や子どもを守ることができるこの物質の飲料水基準を制定させる法案について6月に採決を行なう予定であると述べた。過塩素酸塩基準の制定をEPAに義務付ける同様な下院法案については、下院エネルギー商業委員会の環境有害物小委員会が2007年11月に承認している。

 

過塩素酸塩は、2000万人以上の人々が利用している上水道で検出されている。これまでの研究で、この物質は人の甲状腺機能の障害に関連していることが見出され、妊婦と子どもに対するリスクが最も高いという結論が出されている。

過塩素酸塩の安全濃度については、ばらつきが大きい。マサチューセッツ州では、2006年に飲料水に2 ppbという基準を、またカリフォルニア州では最近6 ppbという基準を制定した。いっぽう、国防総省(DOD)では、EPAの0.7μg/体重kg/日という参照用量に基づいて、過塩素酸塩の管理濃度として24.5 ppbを用いている。

Boxer議員は、EPAの子どもの健康保護諮問委員会がこの24.5 ppbが子どもの健康を守れないことを見出し、DODやスーパーファンド・サイトの浄化指針にある24.5 ppbを下げないことでEPAを批判したことに言及した。

 

Grumbles次官は、「EPAは、食品医薬品局(FDA)の全面的健康調査などの健康影響調査に頼って、汚染のどの部分が飲料水からきているかについて決定しようとしている。EPAには最大汚染物質濃度を設定する以外の選択肢があり、規制ではなくて、新しいモニタリング要件を決めるか、あるいは上水道事業者や一般の人々に対する健康に関する勧告を出す可能性がある」と述べた。

さらに同次官は、1996年の改定安全飲料水法に基づいて定められた規制プロセスの妨げになるので、過塩素酸塩に関する法律を制定しないよう上記上院委員会に求めた。

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